Dさん(70代、女性、賃貸業)
長期間貸していた建物の老朽化がひどく、今にも倒壊しそうな状態であったため、
賃借人に立退きを請求し、裁判、執行手続きをして、賃借人に退去してもらった。
親の代から所有し、長期に賃貸に出している建物の老朽化がひどく、地震等が起きた際には倒壊してしまうおそれがあり、
依頼者様で退去を求めたが、賃借人に取り合ってもらえず、立ち退きを請求してほしい。
まず、不動産の状況、権利関係を確認し、現地を確認しました。そして、賃借人に対して、
示談交渉で立退きを求めました。しかし、賃借人は弁護士を就け、数百万円の立退料を求めてきました。
当方は、法外な立退料であったため、裁判へ移行し、裁判所に対し、老朽化の状況の立証を行い、
建物の倒壊の危険性を訴えかけました。
最終的には賃借人も納得し、立退料を支払うことなく、和解が成立しました。
しかし、和解で定まった退去期限になっても賃借人が退去しなかったため、強制執行の手続きを行いました
(執行官による説得により、退去・引き渡しを受けることができました。)
なお、訴訟費用、執行費用についても賃借人に請求し、支払ってもらいました。
建物の明渡し、立退料請求を退ける、訴訟費用・執行費用の請求。
本件は、当初依頼者様が直接賃借人に対して、退去の交渉を行いましたが、これにより紛争が激化してしまいました。
今回の賃借人は、弁護士や執行官の話であれば、説明を聞き、対応してくださる方でした。
また、本件は老朽化が激しく、建物自体も既に傾いており、建築士もいつ倒壊してもおかしくないとの指摘を受けており、
紛争中に倒壊せず、賃借人の方の身の安全が確保されたことが何より良かったと思っております。
弁護士(裁判官)でなければ、話を聞いてもらえない、交渉が進まないということもよくあるかと思います。
ご自身で交渉してみて不安、恐怖、紛争が激化しそうだなと感じた場合には、
早い段階で弁護士へご相談いただければと思います。